「犬用ガムを愛犬によくあげる」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
僕の愛犬は犬用ガムを見ると目が輝きますし、犬って犬用ガムが大好きですよね!
でも実は、犬用ガムでの事故は多くの論文で報告されています。良かれと思ってあげていた犬用ガムで犬に何かあったら後悔しますよね。
この記事を読めば、犬用ガムについて理解でき、愛犬の健康を守ることができますよ!
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歯磨きガムはオーラルケアの補助程度には十分効果がある
犬用ガムは、大きく分けて「おやつガム」「ストレス解消ガム」「歯磨き(デンタル)ガム」の3種類があります。
歯磨きガムは、歯についた汚れの除去や口の中の抗菌・消臭に効果があり、高いオーラルケア効果を得られるということでたくさんの商品が販売されています。
しかし、歯磨きガムは本当に効果があるのでしょうか?
フジタ動物病院の藤田桂一らが、歯磨きガムを「1日1本成犬にあたえたとき」と「あたえなかったとき」の歯垢・歯石のつき方、歯肉炎の状態を調査。(1)
その結果、歯磨きガムをあたえたグループは、次のような効果が確認されました。
- 歯垢 54.8%減少
- 歯石 62.0%減少
- 歯肉炎 53.8%減少
ただし、かみ合わせに多く関わらない歯では、歯垢・歯石の減少はみられませんでした。
そのため、歯磨きガムでとれなかった歯垢や歯石は、歯ブラシや歯磨きシートで磨く必要があります。
また、Bradley W. Quest, DVMが、犬60匹を対象に歯磨きガムの効果を28日間にわたり調査した研究でも、歯垢、歯石、歯肉炎、口臭に統計的に有意なレベルで改善が見られたと報告されています(2)。
つまり、歯磨きガムはオーラルケアの補助程度には十分効果があるというわけです。
歯磨きガムは毎日あげてもOK
犬の歯垢は約3日で歯石化してしまうため、 たまに歯磨きガムを与えるだけではオーラルケアの効果はありません。
そのため、1日1本を目安に与えるとよいでしょう。
ただしおやつガムの場合、カロリーが高い可能性もあるため、袋に記載された目安量を参考にしてください。
しかし、犬用ガムはメリットばかりではありません。
犬用ガムによる事故も数多く報告されていますので、少し紹介します。
犬用ガムを丸飲みすると腸閉塞の危険大
僕たち人間は、ガムや飴玉を飲みこんでも胃液で消化されるため問題ありません。
しかし犬の場合、丸飲みされた犬用ガムは胃液では消化できず、腸や胃の中で固まってしまいます。
固まった犬用ガムがそのまま溜まっていくと、腸閉塞を引き起こすため、非常に危険です!
また粘り気の強いガムの場合、喉に貼りついたり、食道に詰まらせたりすることもあります。
実際、どのような事故が起こっているのでしょうか?
犬用ガムによる死亡率は25.8%
アメリカにあるバージニア メリーランド地域獣医学大学のMichael S. Leibらは、19の病院から提供された 犬用ガムによる犬の食道閉塞 に関する医療データ31件を分析(3)。
その結果、次のことが報告されました。
- 犬用ガムによる食道閉塞は、主に小型犬で発生(26/31)
- 最も一般的な症状は、吐き気、嘔吐、食欲不振、昏睡
- 犬用ガムはほとんど食道の最も奥の位置に引っかかっていた (23/31)
- 6匹の犬が開胸手術を必要とした
- 最初の入院を生き延びた25匹中6匹の犬で食道狭窄が発生
- 全体の死亡率は25.8%
ほかにも帝京科学大学の渡辺隆之らが行った調査では、「歯磨きガムをあたえた犬のうち60%は逆に菌が増えていた」と報告されていますし(4)、フジタ動物病院の高橋香らが行った調査では、「硬すぎる犬用ガムで歯が欠ける」といった事故も多数報告されています(5)。
犬用ガムはメリットだけでなく、デメリットも大きいことを理解しなければなりませんね。
まとめ
今回、「犬用ガム」について解説しました!
重要なポイントをおさらいすると次のとおりです。
この記事のまとめ
- 歯磨きガムはオーラルケアの補助程度には十分効果がある!
- 歯磨きガムは毎日あげてもOK!
- 犬用ガムを丸飲みすると腸閉塞の危険大!
- 犬用ガムによる死亡率は25.8%!
犬用ガムはメリットもあれば命に関わるデメリットもあります。
もし犬に与える際は、危険リスクを十分に理解したうえで与えるようにしてくださいね!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
参考文献
- デンタルガムによる犬の口腔内衛生効果 / https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/17/4/17_4_109/_article/-char/ja/
- Oral Health Benefits of a Daily Dental Chew in Dogs - Bradley W. Quest, 2013 (sagepub.com) / https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/089875641303000203
- Esophageal foreign body obstruction caused by a dental chew treat in 31 dogs (2000–2006) in: Journal of the American Veterinary Medical Association Volume 232 Issue 7 () (avma.org) / https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/232/7/javma.232.7.1021.xml?tab_body=abstract
- https://www.ntu.ac.jp/tust/publication/pdf/kiyou/vol8/v8pp113-119.pdf
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/22/3/22_84/_pdf